インターネットで入手した大規模なイベントの情報に興味を持ったお客様(経営者)。 それに対して疑問や不安で悩んでいたお客様(経営者)から相談を受けたのが始まりです。  なぜ、お客様(経営者)は自ら行っているインターネット関連事業に対して不安や不信が発生していったのか? それをヨロシク・コンサルティングが疑問から解決までを時系列で分かりやすくご説明します。
▲経営コンサルティングに戻る △前へ △次へ
お客様のギモン 相談編
 
■ある地域で食品関係の大規模なイベントが行われるとの情報をインターネットで入手した。

このイベントは他の同様のイベント等と比べても、最も集客力があり、対面での宣伝効果にも期待が出来る。

今回のイベント会場への出展を考えており、現在、様々な調査を行い情報を入手している。
しかし、主催元が強気で参加費用も高くて、提示額2000万円の参加費用は自社だけでの出店では正直きつい。

更に、遠方になる為、運搬費等も莫大になり、今回出店の費用負担を考えると、こちらは更に厳しいものがある。

当社の取引先や関連先等にも、スポンサーという形式で費用を負担して頂きたいのだが、
どのようにしたら、取引先や関連先がスポンサーとして納得してくれて費用を負担してくれるのかが分からない。

■他業種では、イベントの際にはスポンサーとして賛同してくれる企業は多いと聞いた。

当社はホームページを保有しており、そのホームページもイベント出展に対して利用出来るのであれば使いたい。

当社が行っている業種ではスポンサー契約してもらいイベント出展という概念は殆どなく、
もし当社がスポンサー契約を獲得して、イベントに出展したら新しいビジネスモデルの確立にもなる。

業界での主導権も取得して、当社の売上も上げていく経営戦略を描いている。

しかし、自分で考えていても、何となくは分かるのだが、いつまで経っても答えが分からない。
社内で意見を聞いても何も解決しないし、相談する所もいないので、なんとか解決して頂きたいがどうだろうか?


▲コンサルティングシーン選択に戻る
 
 
お客様のカイケツ コンサルティング編
 
実際にコンサルティングの依頼を受けて資料や状況を詳しく確認。
最初に今回の食品関係の大規模なイベントについて調べました。

■最初に大規模なイベントとは、一体何が大規模なのかを考えます。

資料を見ると、確かに大規模なイベントの様ですが、
この大規模というのは一体何が大規模なのかという事から入ります。

その結果は、確かにイベント会場全体は大規模で集客力は世界規模クラスを誇ります。
これについては間違いありません。確かに相当な集客ができる規模の平米数がありこれは正しい情報です。

しかし、こういった世界規模クラスの集客可能なイベント会場というのは、複数の会場を敷地内に保有しており、 この規模のイベント会場のすべてを同時に一つのイベントが使用するというのは、ごく一部を除き、殆ど事例がありません。

なぜなら、全ての会場施設を使用するという事は、今回の会場ですと一日最大で20万人規模の集客が行えるという事ですが、 この会場が20万人規模の収容を行える事と、実際にイベントに来る人数はイコールではありません。

食品関係の出展イベントで、これだけの人数が一日に集まる事はまずありませんので、 確かに大規模な会場を使ったイベントであるが、その中の小さな会場を間借りして行うイベントであるという事になります。

よって、この場合の大規模なイベントというのは、今回使用する会場の全体的な大きさを意味します。

集客力についてもこれと同じ考えで、集客できる人数が最大規模の人数を収容できる規模であって、 実際に純粋に興味があり、自分の意志で今回の食品関係のイベントに訪れる人は、それほどではないという事になります。

■主催元のイメージ戦略にのってしまい、実際には来ない客層をイメージしています。

また、対面での宣伝効果については、こういった系統のイベントは実際には、お客様(社長)が想定していない客層である業者のような人の集まりになる事が実際多いのが現実になります。

対面で営業や販売をしようとしても、純粋に個人で食品に興味があり会場を訪問する人は少ない傾向にあり、逆に会場を訪れたお客様(社長)が興味の無い他社の営業に売り込みの商談を延々とされてしまうという状況になります。

それに対して時間と人員を使う事になる為、最初にお客様(社長)が思っていたような結果になる事はありません。
試食や資料配布等も同じで、同業者の偵察部隊にそのような物を配布しても売上増大にはつながらないでしょう。

この食品関係のイベントは大規模なイベント会場の一部を間借りして行われる、業者間の商談会というのが実態になります。 しかもその費用を出展企業が自らの意思で全て負担するという仕組みになっている事に注目してください。

■今回のイベントの実態は、業者間の商談会を提供する場という事になります。

また、こういったイベントに参加する業者自体もサクラが多数存在するのが普通ですから、架空の商談会といってもいい場合もあります。主催元がお客様として参加する業者に対して対価を払っているケースもあります。

なぜ、サクラが多数紛れ込むのかと言えば、会場となる箱が大きいだけで、中身がないイベントの場合は、 純粋に興味のある業者さえ殆ど来ない事があります。これでは自作自演すら出来ませんので問題になります。

また、こういった大規模なイベント会場というのは、その巨大な収容人数を誇る故に立地上、都心や交通の利便性が良い所からは幾分離れた場所にある事が殆どで、偶然通りかかってイベント会場に来場する人は殆どいません。

事前にイベントを認知している人しか来場しない為、極端に人が少ないと会場自体が入りづらい雰囲気になったり、人が全くいない内部でどうにもならないような、誤摩化しきれない冷めた雰囲気になるのを防ぐ為です。

お客様(社長)は恐らく、大規模イベントだから、一般のお客さんが沢山来るので、自慢の食品を販売したいと思っているでしょう。 しかし、この思惑は見当違いであり、食品関係最大のイベントを行うという企画元のマーケティング戦略にはまってしまったのです。

人間というのは、ある一定の情報だけを受け取ると、自分の都合のいい様に補完してしまうという性質があります。
逆に意図的に勘違いして補完してくれるような、一定の情報しか与えなければ、勝手に勘違いしてくれるという事です。

これを、宣伝をしていない様にみえて、全てが意図的な宣伝である為、ステルスマーケティングとも言います。

こういった、ハコモノ系のイベントは出展企業が集まれば集まるほど、企画元は利益が上がるシステムになっているため、 とにかく、やらせを演出しても良い所のみを全面に出して、出展企業を確保しようというスタンスで宣伝活動を行います。

■イベント出店企業が増えれば増えるほど、企画元は利益を増大させる仕組みです。

企画元の視点で見れば、このイベントに参加した企業は次はこなくてもいいのです。
とにかく今回だけでいいからお金を落としてくれれば、後はどうでもいいという思考のもと行われる事業です。

出展費用は2000万円とありますが、お客様(社長)が最初に抱いていたイメージなら検討の価値はあるかもしれませんが、このイベントの全てのメッキを剥がした今となっては、業者同士の営業の場の提供にしては高すぎです。

お客様(社長)がイベント会場に集まる多数の一般消費者との営業の場、と勝手に思い込んでいたから、迷いが生じていたのです。そもそも出展を行わず、このイベントに参加者側として入場すれば、安い入場料だけで営業ができます。

出展費用の2000万円をお客様(社長)が単体で支払って、業者同士やサクラとの営業の場に参加したいと思わない限り、 この食品関係の大規模なイベントには2000万円を負担して参加するべきではありません。

これは利益圧縮を行うような、税金対策以外では何のメリットも無いという事です。

■この食品関係のイベントに出店するに渡って、スポンサーを獲得する事は不可能です。

スポンサー契約を獲得する事にもいろいろと手配をされていらっしゃいますが、これはまず無理です。

資金を提供するスポンサーというのは、資金力のある大手企業やナショナルブランド等が殆どで、それに見合ったリターンが無い限りは資金を提供する事はありません。

また、スポンサーになるような企業や個人の情報収集能力は、お客様(社長)の会社よりも遥かに上ですから、 この食品系のイベントの都合の良い話を、いくら話したところで、意味の無い事は事前に分かっているでしょう。

今回、唯一スポンサーになってくれる可能性があるのは、地方自治体になります。
地方自治体というのは、こういった食品関係のイベントに頻繁に資金を投入していますが、結果は散々です。

それは、とにかく余計な仕事でもいいから、予算を使うような仕事があればいいというお役所的な考えの結果でしょう。

地方自治体がスポンサーになってくれれば、2000万円の半額である1000万円前後は相場的に負担してくれるでしょう。 しかし、これでもかなりの負担額になりますし、費用対効果としてみた場合はメリットはありません。

■唯一のスポンサーになってくれる組織がいても、デメリットも考えなければいけません。

それに地方自治体がスポンサーになる事によるデメリットの方が多すぎます。

あまり良くないような思想や宣伝文句を使わざる終えなくなったり、仕事のできない天下りを雇い入れることになる事もあります。この天下りはその他の天下りのポジション争いにすら負けた本当に仕事が出来ない人材になります。

今回のような話はあちらこちらで聞かれます。 特に海外が絡んだ場合は、言葉も分からない、土地勘も無い事等から、イベント企画元が紹介するコンサルタント等に全てを任せる事になるケースが多いです。

しかし、こういったイベント企画元が紹介するコンサルタントを名乗る人物で正直まともな人材を見た事がありません。

当たり前ですが、企画元とは当然ながらグルであり、相手が言葉や土地勘が無い事につけ込み、出来る限りの資金を取り出そうとします。出展企業が集まらず損益分岐点を下回った場合等は、数倍もの請求書が届くような事例もあります。

コンサルタントに限らず、このようなイベント企画元が紹介してくる企業や団体は、最初から疑ってかかる事です。もしくは、信頼の出来るコンサルタントに別途精査の業務依頼をした方がより安全になります。

ホームページ制作業者やカタログ制作業者等も、実は全てがつながっており、その資金の源泉は全てイベントの出展企業です。そもそもこのイベント自体、出展企業がいなければ成立しません。よってその勧誘は熾烈になります。

■コンサルティングというのは、絶対に出来ない事を可能にするものではありません。

お客様(社長)が相談されたスポンサー契約の獲得については、お客様(社長)が獲得したい企業からのスポンサーはまず無理であり、 どうしてもスポンサーという資金提供者が必要であれば、地方自治体しか選択肢はなく、その際のデメリットを考える必要があります。

また、お客様(社長)が対面販売で自信の商品を実演販売しようと思っても、この食品関係のイベントの会場には、本来の販売したい相手が殆どいない為、効果がないどころか、意味の無い勧誘や営業の相手をする事になります。

コンサルティングの結果として、費用対効果等を考えれば、参加されない方がよいという判断ですので、最終判断をご決断下さい。

コンサルタントは案件の信憑性や有益性等を総合的に評価して具体的な結果やリスク等をご呈示しますが、それを踏まえてどうするのかという最終判断はお客様(社長)ご自身の判断にゆだねられます。

▲コンサルティングシーン選択に戻る
 
 
お客様のナットク 完結編
 
コンサルティングを行った結果、お客様(社長)は食品関係の大規模なイベントの参加を取りやめました。

また、スポンサー契約の獲得については、今回の件を勉強して、今後の役に立てていくことにして、こちらは引き続き継続になります。その為にはスポンサー契約とは何なのかを再度意識する必要があります。

■スポンサーを獲得するにあたって、基本的なご説明をします。

他業種がスポンサー契約をしているという情報をお客様(社長)は入手しているようですが、 例えば、大手飲料水メーカーや大手ファーストフード店等がどのようなイベントや業種のスポンサーになっているかを見てください。

オリンピック、プロ野球、サッカー等のスポーツ会場。モータースポーツの最高峰F1、スーパーGT等のレース会場。
つまり、大規模な会場を利用して不特定多数の沢山のお客さんが純粋に自らの意思で沢山集まる所ばかりです。

今回の食品関係のイベント同様にサクラや、やらせがそれなりにいても、
それを遥かに上回る集客が必ずあり、その様子はイベントによっては世界規模で放送や配信される事も前提です。

どのイベントを見ても、スポンサーから見てスポンサーの伝えたい事を不特定多数の人に伝える事が出来る大変魅力的なイベントであり、不特定多数の人が純粋に集まる、それが更に放映や配信されるという共通点があります。

■お客様(社長)の会社が今回の食品関係の大規模なイベントに参加した場合と比較してみて下さい。

イベント会場の大きさや知名度、他の業種が同じ場所でイベントをやった際にはスポンサーが沢山いた、等は意味が無い事が分かります。

今回の食品関係の大規模イベントというのは、まずはスポンサーから見て、スポンサーの伝えたい事を不特定多数の人に伝える事が出来ない為、資金提供するメリットがあるような、魅力的なイベントではありません。

意図的に仕組まれたサクラや、営業目的の業者が主体で集まり、純粋に興味のある不特定多数の来場者は殆ど期待は出来ません。放送や配信に関しては、出展企業関係者以外は殆ど閲覧しない企画元のやる気の無いホームページに小さく掲載されて終わりのみです。

これで、スポンサーが資金提供する訳がありません。お客様(社長)の会社のホームページに掲載も同じ理由です。
よほどの例外が無い限り、お客様(社長)の会社のホームページには2000万円を提供する魅力はありません。

■スポンサーを獲得できているイベントや企業、職業等をみると違いは一目瞭然です。

今回のイベントでスポンサーとして獲得できる企業等が全く存在しない事にすぐに気がつきます。
ですから、どうしてもスポンサーを付けたいのであれば、消去法で地方自治体しか無いという訳です。

スポンサーを集めたいのであれば、スポンサーから見て魅力的なイベントでなければ、資金提供等はあり得ません。

お客様(社長)の会社の業種ではスポンサーに契約してもらい出展というのは殆どないとおっしゃられていましたが、当然なのです。 お客様(社長)がいくら考えても答えが分からなかった理由もこれになります。

今回の食品関係のイベントに参加する中小零細企業のスポンサーになる企業は存在しない為、存在させる回答等ないからです。回答が無いのに回答を考えていてもいつまで経って無い物はみつかりません。

■スポンサーにとって、全く魅力もメリットも無いイベントそのものを考え直してください。

大手飲料水メーカーが中小零細な食品企業のスポンサーになるメリットは皆無であり、 逆にスポンサー料金を支払ってもらえれば、ブランド名をイベントで使っても構わないというくらいの状態が現実ではないでしょうか?

逆に、お金を請求されてしまうような行為を、お客様(社長)はビジネスとして模索していた事になります。

どのようなコンサルティングを行っても、不可能な物は不可能というのが、今回のご依頼の結果になりますが、 お客様(社長)はその結果に対して納得をしてくれました。

いくら考えても答えの見つからなかった、スポンサーの獲得に関する今回の疑問は無事に解決したからです。
このビジネスモデルの確立等は、今回の事例を勉強にして今後も引き続き行っていく予定との事です。

無理な行為を強引に行うという事は、その時点で良心の一線を越えてしまう事になります。 どう見ても利益になる事業なのに誰もやっていない、どの企業も手を出さないという市場は業種により実は沢山存在しています。

この状態に気がつく経営者や事業責任者の方もそれなりに多く、どうやったら誰もやっていない確実に利益が出そうな市場に入っていけるかを考えます。 しかし、どう考えても答えがでないという事が殆どです。

利益になる事なのに誰もやっていないという事は、必ず理由があるからそのような状況になっている訳ですから、 見た目や利益の計算だけでなく、目に見えていない部分を押さえて本質もしっかりと精査していく必要があります。
▲コンサルティングシーン選択に戻る
 
※このコンサルティングの実例は、依頼を元にご対応させて頂いた、ホームページの制作・運営に深く関わる事例です。
※ホームページの視覚的なデザインだけしか理解出来ないのであれば、クライアントに対して本当のコンサルティングは出来ません。
 
一人で悩んだり困っていても解決する事はありません。
 
 
日々重要なポジションで仕事をしていても、実は様々な悩みや問題をお持ちで相談する適切な相手がいない。
いても全く役に立たないどころか逆効果、と解決出来る相談先にお困りのお客様から大変多くのご相談を頂いています。

経営や事業、仕事そのものは順調でも、パートナーの浮気や愛人問題、ストーカー、ブログの迷惑行為等。密接に仕事に関係してるプライベートな領域が問題になり、数字や売上を重視する通常の経営コンサルティングだけでは解決できない問題も数多くあります。

そういった様々な仕事の問題、 プライベートの問題の原因を特定し、より良い方向に解決していく楽しさを、ご体験下さい。
一人で解決出来ない問題は、悩んでいても自然に解決する事は決してありません。ご相談はお気軽にお問い合わせ下さい。
東京都港区台場 コンサルティング・MiMi 

TOP代表プロフィール及び実績会社概要お問い合わせ